会議の問題人物の中でもやっかいな「オレがオレが」系の人。そんな「オレがオレが」系にどのように対処すれば良いのか、会議ファシリテーションの極意をビデオの実演をもとに伝授します。
ちゃんと目線を合わせる
さまざまな問題人物がいますが、もっとも多いパターンとして、とにかく声が大きく、”オレがオレが”的に自分の主張を押し通そうとする人について、どう対処すればいいのか、お教えします。
まず、一番最初に大切なことは、どんな問題人物であっても、ちゃんと仲間として迎え入れてあげることです。
とかく問題人物を相手にすると、それ以外のメンバーは一致団結して、問題人物を排除しようとする姿勢を見せるようになります。その典型的な態度が、「問題人物と目を合わせない」というものです。
もともと好感を持っていないし、問題人物にからまれるのもいやだし、できることなら目を合わさないでおこうと考える心理はよく理解できます。
しかし、そうすると、メンバー全員が下目がちに議論をする光景が繰り広げられ、それは問題人物から見ても明らか違和感がありますし、論全体のエネルギーが下がってしまいます。
まずは、問題人物とちゃんと目線を合わせ、メンバー全員が顔を見ながら議論することが重要です。
「人」と「意見」を切り離して、意見を公平に評価する
次に見られる傾向は、とにかく問題人物の発言に抵抗感を示すこと。ひとたび問題人物であるとレッテルを貼と、その人の意見をすべて否定したくなるのは、人間の心理としてありがちなことです。
でも、問題人物の意見を露骨に否定して、からまれるのもイヤなので、、誰もあからさまに否定的なコメントはしません。むしろ表向きは肯定するかのように振る舞います。しかし、心の中では思いっきり否定していますから、肯定しているつもりでも、問題人物からしたら十分に批判的なコメントに聞こえます。
そうなると、問題人物はいっそう頑固になります。
ナレッジサインのファシリテーション研修では、講師が問題人物を演じながら議論に参加するロールプレイング形式のセッションを実施しています。
以下の映像は、実際の演習の30分ほどのセッションを15分程度にまとめたものです。
メンバーからのコメントが十分に批判的に聞こえるのがわかるかと思います。
問題人物の意見を承認するときは、全身で思いっきり
上記の映像にある演習は、あるケースを設定し、それにもとづいてディスカッションが行われます。
成地(なれじ)さんに対するアドバイスを考えるためにみんなでディスカッションする、という設定ですが、問題人物もスーパーコンサルタントの一人で、ややこしく議論にからんでくるのです。
映像の中で講師が何度も指摘していますが、問題人物も時折建設的な意見を出すことがあり、良いと思ったときは、全身で思いっきり「承認」の姿勢を示して欲しいと思います。
前述したように、メンバーの心の中には、常に問題人物の意見や問題人物そのものを排除したいという心理が働いています。
そうなると、自分は承認したつもりでも、相手には承認とは映らないことが多くなるのです。
おもしろいことに、この演習では講師自身、演技をしながら、そういう排除の姿勢や、疎外感、孤立感を感じて、とても切なくなるのです。きっと問題人物も自分が受け入れられていない寂しさを感じているはずで、いっそう頑なな姿勢に追い込でしまうのがよくわかります。
映像の中で、具体的なシーンに沿って講師がさまざまな対処法を解説してしますので、ぜひご覧ください。