グローバルファシリテーション/英語でのファシリテーション事例 for 東洋エンジアリング様 TOYO Global Leaders Seminar 2019

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7ヵ国、29名の次世代リーダーを招いた5日間のセミナーを開催

東洋エンジニアリング株式会社(TOYO)様は、は1961年の創業以来、エンジニアリング技術力・プロジェクトマネジメント力を駆使して、エネルギー、交通・生活インフラ、工場など、世界中で数多くのプラント建設プロジェクトを手がけてきました。

Global Leading Engineering Partnerという理念のもと、世界各国に拠点・ネットワークを持ち、世界の多様な人材との協働を促進しています。

同社では、各地域の次世代リーダーを本社に招き、TOYOのPhilosophyの理解を深め、Cross culturalな環境でのリーダーシップを養い、国を超えた人的ネットワークによって継続的・発展的なコラボレーションを促進することを目的として、TOYO Global Leaders Seminarを毎年開催しています。

2019年も11月に、7ヵ国、29名の次世代リーダーを招いて、5日間のセミナーを開催しました。

ナレッジサインでは、4日目のワークショップのプログラム企画、およびファシリテーションを手がけました。その模様をレポートします。

Values Ambassadorとしてのリーダーの行動のあり方を議論する

本セミナーの最初の3日間では、リーダーシップの技術的な要素を学び、4日目以降には、いかにリーダーシップを実践していくのかを考えます。

ナレッジサインが手がけたワークショップでは、リーダーとしてのあるべき行動を考えるために、リーダーとは、Values Ambassador、企業の価値観の体現者であるという考え方のもとに、いかにCorporate Valuesを理解し、自ら体現するとともに、同僚に対して価値観にもとづいた行動のEncourageをしていくか、について議論してもらいました。

TOYOの価値観は以下の5つです。

Integrity :誠意と責任を持って業務を遂行します。
業務遂行にあたって透明性の確保と説明責任を重視します。

Creativity:知恵と創造力を発揮し、顧客とともに、もしくは自ら、新たな価値を創造します。
過去の延長線上ではなく、変革に挑戦します。

Diversity:個性、人格、ならびに各国、各地域の文化、慣習を尊重します。
業務や案件の多様性に、柔軟かつ複眼的に対応します。

Learning :進取の気性で、新たな経験、技能、知識を獲得します。
内外の技術、経済動向を注視し、変化の本質の把握に努めます。

Team:自社グループ内はもとより、顧客や協業先とのチームプレイを通じて、成果を実現します。
互いの立場を尊重し、知識と課題を共有します。

この5つのCorporate Valuesを定義する、動機づけを考える、促進する、というステップで議論できるようにワークショップのプロセスをデザインしました。ワークショップのおおまかな流れは以下の通りです。

STEP1  5つのValuesの理解と定義

5つの価値観について、自分自身が体現したストーリーをシェアすることで、「価値観に沿った行動」のわかりやすい定義をする。

STEP2  価値観に沿った行動のための動機づけ

メンバークラスの人材は、リーダークラスの人材ほど価値観に沿った行動の動機づけがないかも知れないという前提のもと、価値観に沿った行動を、自分事として考えられる動機づけを考える。

STEP3  メンバーを動機づけするためのリーダーシップ戦略を考える

メンバーを動機づけし、自分のチーム、あるいは自分の会社全体に価値観に沿った行動を促すための戦略的なリーダーシップの発揮の仕方を考える。

メンバーの動機づけを考える

実際のワークショップの様子は、以下の映像をご覧ください。

今回のワークショップのプロセスで特徴的な点は、「価値観に沿った行動を促すための動機づけを考える」というトピックを盛り込んだことです。

次世代リーダークラスの方にとって、会社の価値観を体現するのは、リーダーとして当たり前のことかも知れません。しかし、メンバークラスになると、なんらかの動機づけが必要です。価値観に沿った行動をすることによって、自分にどのようなベネフィットがあるのか。

特に多様な人材の集まる場では、個々人の価値観もさまざまです。個人と会社の価値観の接点を見出し、行動面で、自分事としてのベネフィットを見つける支援をすることが、リーダーの役割になります。

ワークショップの最後では、社員全体が共通の価値観に沿った行動ができるようにするために「いかに他者を動かすのか」というリーダーシップ戦略をグループで考え、発表していただきました。

 

グローバルな場でのワークショップにおけるファシリテーションのポイント

多様な人材の集まるグローバルな場のワークショップと、日本国内で日本人を対象にした研修やワークショップで、ファシリテーションのスタイルが大きく異なるわけではありません。

しかし、微妙な違いが結果に大きく影響を与えることがありますので、その違いを意識して、グループワークの進行に工夫を凝らすことが、グローバルファシリテーションでは求められます。

以下は、私が考える、日本人だけのグループと、外国人(英語圏の)を中心としたグループのグループワークにおける参加者の性質の違いです。

あまり文化的な背景でステレオタイプに類型化することは好きではありませんが、これまでの経験で実感値として感じることを整理しています。

表にもあるように、日本人は、研修などの場で「正解に近づけたか」を重視する傾向にあるのですが、外国人は、「正解は一つではない」、あるいは「自分が一番正しい」という発想の方が多く、グループワークの進行において、あまり手順を細かく決め過ぎずに、自由に創造性を発揮できる余地を残しておくことがポイントです。

また、グループワークの最後では、「何を学んだのか?」を自分で考えさせるのもグローバルスタイルです。日本では、最後に正解は何か?を講師が教えるスタイルが多いのですが、海外では、常に参加者自身で考え、腹落ちさせるスタイルが定着しており、ファシリテーターが講師風にきれいにまとめようとすると、しっくりいかない時があります。

一方で、海外での研修・ワークショップでは、参加者が「この場合はこうした方がいいのではないか?」、「私はこう考えるけれど、どう思うか?」と言った、自分なりの意見を強く推すような質問を、ファシリテーターや講師にバンバンとぶつけてきます。
そんなときに教科書的な受け答えをしていては、参加者の信頼を失います。

「こういう場合は、このようにすべきです。」
と教科書的に答えると、

「うちの文化ではそれは通用しない。」
と容赦なく拒絶されます。

多様な人材の集まる場では、Contextによって何が適切かはまったく違います。グローバルファシリテーターは、ある方法論が、どのようなContextの時に有効で、どのようなContextの場合に有効でないのか、きちんと切り分けのできる理論武装と経験知を持っておく必要があります。

私は、「私の経験ではこのようなことがあり、このようにするとうまくいった。その時の状況はこうだから、同じような状況ならうまくいくかも知れない。あなたの指摘のように、~な状況であればその方が適切かも知れません」という風に、経験にもとづいて、方法論とContextの関係をわかりやすく説明するように心がけています。

グローバルな場で経験したたこと、感じたギャップ、その一つ一つを自分なりにふり返って、整理し、知識の引き出しにしておくことが、グローバルファシリテーターには必要です。

担当したバイリンガル・ファシリテーター

吉岡英幸 (Hideyuki Yoshioka) 株式会社ナレッジサイン 代表取締役

プロのファシリテーターとして、800件以上の議論の場をファシリテーションした経験を持つ。組織改革やマネジメント改革のファシリテーションや、企業の中期計画策定、IT戦略、人事制度設計のコンサルティング、ファシリテーションを数多く手がける。ファシリテーションや各種コミュニケーションの研修も開催し、ファシリテーションを活用したグローバル人材育成プログラムの開発にも積極的に関わる。
英語でのファシリテーション、グローバル人材育成に積極的に関わり、自ら海外とのさまざまなネットワークを開拓。日本の大手企業や外国企業が、国内外で開催するグローバルミーティングのファシリテーションを数多く手がけている。

■国際的なファシリテーター資格
IAF CPF(Certified™ Professional Facilitator)
■海外の教育機関のトレーニング資格
C2C Organizational Development(USA, India, Asia)  登録トレーナー/ファシリテーター
MPI (UK, USA, Dubai) 契約トレーナー/ファシリテーター
Top Concept(EU)  契約トレーナー/ファシリテーター

Language: Japanese, English
Available: Japan, Singapore, other areas in Asia, North America, Eu

言語:日本語、英語
対応可能地域:日本、香港、シンガポール、他アジア、北米、欧州各地

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