グローバルファシリテーション/英語でのファシリテーション事例 for 三菱ケミカル様 グローバルチーム研修

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8ヵ国22名のグループ社員が参加するワークショップ

三菱ケミカル様は、「人、社会、そして地球の心地よさがずっと続いていくこと」を目指すKAITEKI実現をテーマに、素材から機能商品まで幅広い分野で多彩なソリューションを提供している企業です。

その中でも、環境・生活ソリューション部門は、水処理事業をはじめ、農業・土木など、我々の生活や社会インフラに根差した事業をグローバルに展開しています。

今回は、アジア、ヨーロッパで活躍する、当部門の次世代をリードしていく社員の皆さんを日本に招聘し、2日間のグローバルチーム研修を実施しました。

ナレッジサインでは、1日目のワークショップのプログラム企画、およびファシリテーションに携わりました。

今回のイベントは、Get-Together 2019と題して、中国、インド、タイ、台湾、シンガポール、ミャンマー、イタリア、日本という8ヵ国から22名のグローバルリーダーが参加しました。

そして、1日目のワークショップのテーマは、”Finding Our Chemistry”です。Chemistryは、日本語で言う化学反応のこと。多様な人材が集うチームにおいて、一人一人の個性のぶつかり合いによる化学反応が起こることで、チームのパフォーマンスが最大化するという考え方と、化学会社のケミカルとを掛けています。

Own strengthとBorrowed Strength

ワークショップのスタートは、まず参加者の多様性を知るで目的で、SDPsボードというものを使ったアクティビティを行いました。

SDPsとは、SDGsをもじったもので、Super Distinguished Peersの略です。各国から選出された優れたメンバーたちと言う意味で、各メンバーが持つ強みが何かをシェアすることで、互いの理解を促進します。

このときに、Own strengthとBorrowed Strengthという2つの強みを各メンバーに挙げてもらいました。Own strengthとは文字通り、自分が独自に持っている強み。

一方のBorrowed Strengthとは、チームメンバー、同僚、仲間の力を借りることで発揮できる強みのことです。誰かと協働して仕事をしている限り、自分の強みと思っているものの中には、このチームにいることで初めて発揮できるという、”借りてきた” 強みがある、という考え方にもとづいています。

最初のうちは、参加者も「自分にとってのBorrowed Strengthって何だろう?」と頭を悩ませていましたが、自分の仕事とチームとの関係性をふり返ることで、チームメンバーとの関わりが、自分の能力や成長にいかに影響しているかということに気づき、さまざまな視点でBorrowed Strengthを挙げていました。

What is our chemistry? How can we adapt our chemistry to achieve something?

今度は、本当のSDGsの17のテーマの中から各自関心のあるテーマを選び、共通の関心を持つメンバー同士で任意のグループを組み、グループワークに入ります。

このグループワークでは、それぞれのグループの持つChemistryは何かを考えます。いろんな個性を持つメンバーが偶然同じグループに集まったわけですが、「個」の力をうまく組み合わせることで、1+1が3以上になる、グループ自体が持つ独自の強みが何かあるはずです。それは何かを考え、その強みに名前をつけます。

そして、グループの強みを生かして何ができるか。例として、SDGsの17のテーマの中から任意のテーマを選んで、グループで協力して活動することで、どのようなアクションがゴール達成に貢献できるかを考えました。

最後に、グループごとに考えたアクションプランのプレゼンテーションを行いました。

このワークショップを通して、大きな気づきとして参加者から指摘されていたのは、多様性がチームの力になるということ。そして、同じ文化やビジョンを共有し、一つの方向に向けて「個」の力を結集することで、それがChemistryとなり、単純に「個」の人数を足し合わせた以上の力を発揮できることです。  

「個」の多様性をうまく引き出し、チームのベクトルへと結びつける場づくりが大切

今回のように、外国人を多く含む、多様性に富んだグループで、チームビルディング的なワークショップやミーティングを行う場合、「個」の多様性をうまく引き出しながら、チームとしての一体感に結びつけるようなファシリテーションのデザインが必要になります。

日本人だけのグループの場合、比較的「個」よりも「集団」へと意識が向きがちになり、最初からチームのことを考えるワークが機能することもあるのですが、多様な人材で構成されるグループの場合、「個」に意識が向いている参加者も多く、また、相互理解のためにも、まずは「個」をしっかりと理解し合うことが必要です。

そして、「個」の持つ力がチームの力へといかに結びついていくか、という思考にシフトしていきます。

その際に重要なことは、チームに貢献することの動機づけを、一人一人がしっかりと見いだせることです。グローバルファシリテーションで気をつけないといけないのは、一人一人の動機づけの多様性を強く意識することです。

日本人は、そのチームに帰属していること自体が、チームに貢献する動機づけになることが多いのですが、多様な人材が集う場では、「個」が、チームから受けるベネフィットとは何かが重要です。

そのためにも、Borrowed StrengthやChemistryといった概念で、チームから受け取る自分自身のベネフィットがあることを十分に意識させるようにしています。

個人にとってのベネフィットは一人一人違うけれども、チームが一定の方向に向かうことで、自身のベネフィットも最大化し、結果としてチームのパフォーマンスも最大化するという、個人視点に重きを置いたチームビルディングの仕掛けが、グローバルファシリテーションでは、重要なポイントになります。

 

こちらから、ワークショップの模様を映像でご覧いただけます。

担当したバイリンガル・ファシリテーター

吉岡英幸 (Hideyuki Yoshioka) 株式会社ナレッジサイン 代表取締役

プロのファシリテーターとして、1,000件以上の議論の場をファシリテーションした経験を持つ。組織改革やマネジメント改革のファシリテーションや、企業の中期計画策定、IT戦略、人事制度設計のコンサルティング、ファシリテーションを数多く手がける。ファシリテーションや各種コミュニケーションの研修も開催し、ファシリテーションを活用したグローバル人材育成プログラムの開発にも積極的に関わる。
英語でのファシリテーション、グローバル人材育成に積極的に関わり、自ら海外とのさまざまなネットワークを開拓。日本の大手企業や外国企業が、国内外で開催するグローバルミーティングのファシリテーションを数多く手がけている。

■国際的なファシリテーター資格
IAF CPF(Certified™ Professional Facilitator)
■海外の教育機関のトレーニング資格
C2C Organizational Development(USA, India, Asia)  登録トレーナー/ファシリテーター
MPI (UK, USA, Dubai) 契約トレーナー/ファシリテーター
Top Concept(EU)  契約トレーナー/ファシリテーター
EvoLearn(UK) 契約トレーナー/ファシリテーター

Language: Japanese, English
Available: Japan, Singapore, other areas in Asia, North America, Eu

言語:日本語、英語
対応可能地域:日本、香港、シンガポール、他アジア、北米、欧州各地

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